【奏】春に降る雪
告白を決意して1週間。




いざ気持ちを伝えよう!って思っても、なかなか言うタイミングがなくて、今日に至るわけなんだけど。






もしかしたら、今日がチャンスなのかもしれない。
そう思ってここへ来たの。




二人きりの今がハルに告白するチャンスなんだ。





ハルを好きになったこの場所で気持ちを伝えたい。






「ハルっ私ね……」
『俺…瞳子さんに気持ち伝えようかと思ってるんだ』




「………え?」




突然真面目な声でポツリと言ったハルの言葉に、私の言葉は掻き消された。





『瞳子先輩、最近彼氏と上手くいってないらしいんだ。
だから俺、ダメ元で言ってみようかな〜なんて…』





「告白、するって…事?」




『うん…今日花見の後に2人きりで飲み直したいって誘って、言おうかと思ってる』





ズキン、ズキンって音立てる胸の音。





どうして?





だって……だってハル…憧れてるだけだって…

笑ってくれてるだけで満足だって…言ったじゃん。






「……どうして?」







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