世界の終りに恋の歌を
人魚の姫は、人間が海の中では生きていけないことを知らないようでした。

王子は少し考えて、

「姫君のお話を聞くと、とても姫君の住む海のお城が素晴らしい場所だとわかりました。

私も行ってみたい。

しかし、私はこの国の第一王子です。ゆくゆくは、この国の王になることが決まっています。ですから、私はここを離れられない」

こう答えました。

「そう……、そうだったわね」

人魚の姫が残念そうに俯きます。

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