60代の少女
正直、本当にそれだけだった。
謝りたかったのだ。自分の中にしかない葛藤で、勝手に彼女を巻き込んでいたことを。
彼女が例え気にしていなかったとしても、彼女を傷つけたのではないかと言う罪悪感から、自分が逃れるために。
情けない、と思う。
しかし。
「・・・元博は、優しいよね」
彼女はそう言ってくれる。
「夕飯でも食べてく?作りすぎて余ってるから」
「・・・じゃあ、頂こうかな」
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