パセリな彼女がついた嘘
夏の主役が太陽だとしたら、
冬の主役は手を繋いで街を歩く恋人たちだと、僕は思う。

仕事でトラブルがあり、上司と共に残業をして帰宅途中、
終電で僕が立っていた前の席のカップルは手を繋いで眠っていた。

疲れが溜まり、感傷的だった僕は目を逸らして、
ポケットのケータイを開く。

時間は0時半を回るところ。

瑠璃子さんのシフトが今日、入っているのかが頭を過ぎっていた。

クリスマスに興味はないけれど、
コンビニのクリスマス仕様に、心が躍った。

僕の恋人は雪乃なのに、
レジの前の瑠璃子さんと目が合い、胸が弾んだ。


水は取らずにレジに行き、タバコの銘柄を告げた後、

「終わったら少し、お茶しない?」

そう、誘った。
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