パセリな彼女がついた嘘
それにしても雪乃にタバコは似合わないな、
と思いながら肩をすくめ、
ポケットに手を突っ込んで小走りで駅に向かう。


夕べあの時間帯に勤務していたのだから、
いるはずのないことは分かりながらも中を覗きながら、
あのコンビニの前を通り過ぎる。

不在を見届けてひとつ、
はぁーと息を出してみたけれど、
さすがにまだ白くはならなかった。

寝起きの悪い僕の思考が朝からこんな風に色々と
働くのは、今日がサラリーマン人生の醍醐味、
【花金】であることに間違いはない。
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