男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~



「本当に予約が多いんですよ。検査できる病院も少ないですし……」


「年末辺りからたまたま採卵の予約が少なかったので、正直毎日切ってらっしゃる方がいる状態ですよ」


とコーディネーターさんは苦笑した。


そう言われてしまえば、それに従うしかない訳で。


結果次第で就職を選ぶか、バイトをするのか、なんて考えていた私の将来設計は根底から覆される。


「じゃあもう一度予約を確認してみますね」


手術をしてくれる院長がすぐに捕まらなくて確認は難航。ちょっと失礼、そう言って残された私達も笑うしかない。


「秋になるって……予定外だね」


「でもしょうがないよな」


リュウジが手帳の9月の欄に予定を書き込もうとした時、ドアがノックされ院長が入ってきた。


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