男性不妊と宣告されて~不妊治療闘想記~



「おかえ……」


「マジでふざけんなって!!!」


夕飯の準備をしていた私の前、今まで見た事のないぐらいに荒れたリュウジがそこにはいた。


嫌な予感が頭をよぎる。


ダメだったんだ。


とりあえず簡単に夕飯を作って隣に座る。


リュウジはかなりイライラしているようだった。


「どうしたの?」


何から聞いていいんだか、わからないよ。


それに今日は初診だから、考えてみたらイキナリ検査はしないはずだし……。


って事は……怒ってる理由は一体何??


そんなリュウジの口から出てきた言葉は……。


「違う病院……紹介された。」


「え……!?だって紹介されて行ったのに?」


「検査の出来る先生が他の病院に行っちゃったんだってさ」


「そう……なんだ」


「その病院ってのがH市だって言うんだよ。遠すぎじゃね?」


それは……確かに遠い。片道軽く2時間はかかるだろう。


「しかも……」


リュウジは病院で聞いたというとんでもない事実を私に告げた。


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