『アリガトウ』と言いたくて。
それから2時間,歌ったり話したりして楽しんだ。

みんな本当にいい人で,初対面だということを忘れるくらい話し込んだ。


でも,ここに集まっているのは

『仲間』

って感じの人たち。


男とか女とか気にせずに楽しくおしゃべりできる関係で,恋には進展しそうになかった。

初めから合コンなんかじゃなかった。


カラオケBOXから出ると,外は真っ暗だった。


「うわっ!!真っ暗ぁー!」

「まぢだぁー!今何時ぃー??」


無駄にテンションの高い唯たち。

萌未もその一人。

「…」

「メグ?どぉしたのぉ??」

突然,萌未が立ち止まった。



「…凌央…」


萌未の視線の先には,凌央が立っていた。


「誰??こいつ」


俊也が萌未に尋ねる。


「…彼氏…」


萌未がゆっくりと答えた。

その語尾が小さくなっていたことに修羅場を感じたらしい五人は,そそくさとその場を後にした。

残されたのは,萌未・凌央,そして私。


微妙な沈黙が続く。

その沈黙を破ったのは,萌未だった。


「ごめん,アタシ今日は帰る」

萌未はそれだけ言って姿を消した。



「…追いかけなくていいの…??」

残された私は凌央に尋ねた,すると―

真剣な顔でこう言った。

「俺が話あんのは,お前だから」
< 22 / 33 >

この作品をシェア

pagetop