平凡な憂の非日常

来訪者はデブ

時間は、午前零時になったところ


こんな時間に誰だ?


ドンドンドンドン


ドアを叩きだした


僕は、玄関へと急ぎドアを開けると、雨にでも濡れたのか、びっしょりした小太りが立っていた。


「あっ杉山さん

こんばんは」



小太りの男、杉山さんは僕より一つ年上で、今年で4浪の崖っぷちデブだ。


受験のストレスで、太ったらしい。


「憂君、こんな夜中にうるさく飲み会をするのは、俺に対する嫌がらせだろ!?


デブが4浪して大学入っても、モテないって思ってんだろ!?


妹が一発合格してんのに、兄は4浪&デブ


死ねばいいのにって思ってんだろ!?



受験勉強に専念する為じゃなくて、家族からの視線に耐えきれずに、一人暮らしに逃げたって思ってんだろ!?」


最初に、うるさいって苦情だと思うんだけど、後は、いつもの被害妄想か……


僕は、杉山さんが苦手だった。


いつも挨拶するだけで、これが始まるからだ。


今日は、自分がうるさくしてしまったのもあるので、謝ろうとした時


「うっさいデブ」


部屋から、化け猫がデブに噛み付いた。



なんか、また一波乱ありそうです………
< 14 / 28 >

この作品をシェア

pagetop