極甘Story
「はじめ。」

先生のキリっとした声が、
教室中に響き渡った。

英語のテストだ。

「・・・・。」

みんなの声は聞こえない・・。

そのかわりに聞こえてきたのは
シャーペンで字を書くカリカリという音。

そんな些細な音さえも、
今の私にはうっとうしく感じられた。

「やめ。」

その先生の言葉と同時に
チャイムが響く。

「ふぁ~。笑梨できたぁ~?」

「って、当たり前かぁ~。笑梨の得意分野だもんねー」

私はユッチが喋りかけていたことにも
耳がいかなくなってしまった。

「笑梨・・?」

「へ?・・あ、ごめん」

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