5年先のラブストーリー-この世のしるし-


久しぶりに気合いを入れた直樹はその出来映えに自信タップリな表情を見せた。

ところが、そんな自信も一瞬で打ち砕かれた。

恵子はただ単に絵が上手いだけではなかった。

それまで絵に全く興味がなかった直樹でさえ、絵の中に吸い込まれように引き寄せられた。

それに対し恵子は言った

「絵って見るだけのものじゃないの!人の心を安らげたり時には勇気を与えてくれる。だから私、絵が好きなの・・・」


この言葉に反発するプライドだけが先行していた直樹だったが、その後、数々描く恵子の絵に心が癒されているのが分かるようになって行った。
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