5年先のラブストーリー-この世のしるし-
恵子は直樹に夢を叶えてもらいたい。
その一心でそれを強い口調で言った。
「私のことなら大丈夫。あなたの夢が叶う事が私の夢なんです。家族が離れて暮らしても心は一つ。
あなたがいる限り私はいつもあなたに支えられている。この世であなたがやるべき事はただ一つ!あなたの生き方、あなたの力を一人でも必要とするなら、それはあなたしか出来ない事
“自分がやらなければ誰がする”これはあなたの口癖よ。一人でも多く、世界の人々に絵を通して夢や希望、そして勇気を伝えてあげて下さい。それがあなたがパリへ行く本当の理由、始まりなんです」
「ケイ・・・」
「その呼び方、懐かしいね、直君」
直樹の抱いていた夢。
それは恵子の夢でもあった。