patchwork stories
(短編寄せ集め)
「がんばれ」
なんて言葉は、僕は好きじゃなかった。
目標も夢もない、傷だらけの心しか持たない僕だから。
でもね?
その傷が癒えるまで傍に居るから、
「がんばろうね?」
言ってくれたキミの言葉で僕は初めて、
「がんばろう」って思えた。
ホントは、
「がんばろうね?」は、
僕が言わなきゃいけなかったんだ。
徐々に痩せていくキミの体に気付けなかった愚かな僕。
気付いたときには、
キミの命の灯は、弱くも必死に燃えていた。
「がんばろう?」
「がんばれ」
なんて……もう遅い。