不良×依存症
何だろう。
蓮兄とはまた違った雰囲気で。
冷酷で表情なクールとは言えず…
甘いマスクが特徴的な美男子といえるであろう。
その彼の茶色く染まった髪が風に沿ってゆれている。
あぁ。
こんなイケメンがあたしの彼氏になってくれれば。
なーんて…
夢にもない幻想を頭の中で繰り広げる。
「ちょっと、何妄想してんの」
雪さんがまどろんでいるあたしの頭を、現実に引き戻すかのように激しく叩いた。
その痛みさえも、感じられないくらいあたしは彼にベタ惚れだった。
「ねぇ、雪さんあの人超格好良くないですか?やばいっすよ、初恋っす、初恋!」
あたしはイケメンを指でさしながらも、興奮を抑える事はできない。
「あぁ?」
雪さんはあたしの指をたどり、彼を見つけたようだが、あまり良い反応はしてくれない。
「そうかぁ?遊び人って顔してんじゃねぇかよ」
「……酷い、そんな事ないですよ」
…遊び人って。
雪さんは彼の事、何が分かるっていうんですか!
って、あたしも会って…ていうか話すらしてない仲だけど。
「ん、あれっ?」
雪さんは、もう一度彼を見て目を細め始めた。