不良×依存症


「だって…」


なっちゃんが、なぜかツボにハマッた様子で、肩を動かしながら笑う。


「なんでぇ?」


「いや…、お前、可愛いとこもあんだなーって」


なっちゃんが笑いながらそう言った。


キラー文句。


なっちゃんに可愛いだなんて…。


言われたの、初めてだし…、それに、もう2度といわれそうにない言葉だ。



あたしの顔が真っ赤になる。



「安西の事許しなね?…俺は、愚痴を言われてもいいような存在だからさ」


「でも……」



「安西も、お前も俺にとっちゃあ大事だから、喧嘩すんなよ、な?」



なっちゃんが軽く舌をだすと、立ち上がる。


「じゃあ、俺帰るわ。こっから家2時間かかるからよ」


「あ、うん。ごめんね、ありがとう」



なっちゃんは笑顔で手をふり、あたしの部屋から立ち去った。



あたしは、へなへなと座り込んだ。


「な、なっちゃんに…」


熱い頬を両手で包み込む。



「大事な人って言われた…」



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