不良×依存症


「弥生捺来は、もう一度、野球をするよ」




あたしがそう言うと、全員があたしを見る。


……雪さん以外。

雪さんは、お兄ちゃんがお土産にと頂いたプリンを早速食べ始めている。



「ほお…」


お兄ちゃんが、息をつく。


「なっちゃんは、野球するもん…。ううん、させてやるんだ」



あたしが、彼を説得してやるんだ。


絶対に。



「お知り合いなの…?」


お兄ちゃんの奥さんが、あたしにそう尋ねた。


お知り合い…。


お知り合い…というか。


あたしの恋の相手…といいますか。


まぁ、そんなことは口が裂けてもいえない。


「ん、まあ」


こういうときは、はぐらかすのが一番だ。



でも、あたしの顔は誰から見ても、真っ赤かもしれない。


自分でもわかるほど、顔が熱い。



でも、みんな何も言わないから、さすが大人だなーって感じる。


……雪さんを除いて。



これで、あたしの恋はみんなにバレちゃったりしちゃったかもしれない……?
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