不良×依存症

* *


時刻は現在、腕時計で確認すると19時。


「マジ、疲れる」


金欠状態の捺来は徒歩以外の手段をとることができない。



何で、俺ばっかり…ッ



悔しさを堪えるように、唇を強く噛みしめた。


そんな時だった。



ドン…ッ!


「痛…ッ」



何かが右肩に強くぶつかった。


捺来はあまりの痛みに、短い声を漏らし、右目を瞑った。


目を開けるとそこには息切れた男子高生。


捺来は眉をひそめた。



「あの…ッ、これ…ッ」


そう言うと男子高生は捺来に1つの紙袋を手渡し、そのままどこかへ行ってしまった。



「はぁ…ッ!?」


捺来は何が何だか分からず、首を傾げるだけだった。



何なんだよ、コレ!


紙袋を強く握り締め、先を睨みつける。



その時だった。



「…キミだね?」


腕を強くつかまれ、引っ張られた…。




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