不良×依存症
あたしよりも20cmは高いなっちゃんに見下ろされた。
「触らせてろ。減るもんじゃないし」
「や、やだよぉ…。まだ誰のものでもないのにぃ」
「その言葉、直球だね。」
なっちゃんはハッと笑って、そのまま視線を窓の景色に移した。
な、何よ!?
助けないの!?
笑って、はい、おしまい!?
あたしのお尻を触る手がどんどん大胆になっていくのがわかった。
よ、よかった。
スカートじゃなくて。
……って、安心してる場合じゃなーーいっ!
「な、なっちゃんーー」
「あーもう、うっせーな」
なっちゃんがチッと舌打ちをもらす。
な、何よー!
舌打ちしたな、この野朗!
なっちゃんはあたしの触られているお尻を凝視する。
そしてすぐさま、触る手を掴んだ。
「い、いたたたたたた!」
すると後ろから、痛がる声が聞こえた。
でも、声が男じゃない。
明らかに高く、明らかに女性の声だ。
なっちゃんの動きはそのままエスカレートし、掴む腕をグイッと自分の方向へと引き寄せる。