不良×依存症


あたしよりも20cmは高いなっちゃんに見下ろされた。



「触らせてろ。減るもんじゃないし」



「や、やだよぉ…。まだ誰のものでもないのにぃ」


「その言葉、直球だね。」


なっちゃんはハッと笑って、そのまま視線を窓の景色に移した。


な、何よ!?


助けないの!?

笑って、はい、おしまい!?


あたしのお尻を触る手がどんどん大胆になっていくのがわかった。


よ、よかった。

スカートじゃなくて。


……って、安心してる場合じゃなーーいっ!


「な、なっちゃんーー」


「あーもう、うっせーな」


なっちゃんがチッと舌打ちをもらす。


な、何よー!

舌打ちしたな、この野朗!


なっちゃんはあたしの触られているお尻を凝視する。


そしてすぐさま、触る手を掴んだ。



「い、いたたたたたた!」


すると後ろから、痛がる声が聞こえた。



でも、声が男じゃない。


明らかに高く、明らかに女性の声だ。



なっちゃんの動きはそのままエスカレートし、掴む腕をグイッと自分の方向へと引き寄せる。


< 225 / 346 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop