不良×依存症
「俺には、関係ない!」
「だからそれを証明しなければならない。否定ばっかしたって、結局は裁判に持ち込まれる」
蓮兄の冷静とした口調に、ひんやりとした空気が肌に突き刺さる。
「もう、ありえへん。俺東に乗り込むわ」
「やめてよ!全体集会開かれるじゃない!」
貴重な放課後の時間がコイツの復讐で無駄になってたまるか!
「央。頼む、東に入る事が可能なのはお前だけなんだ。お前の力が必要だ」
蓮兄がこんなにも必死になるのは、なぜだろうか。
でも…。
「無理だよぉ…。あたしなんかが」
そうだ。
蓮兄が東高に入る事だって、できるじゃない?
仕事なんだから。
「はぁ…」
蓮兄が頭を抱え込んだ。
やはり弁護士の蓮兄にとって、助けるとは当たり前の事なのだろうか。
いや。
弁護士だからじゃない。
人として?
「央、少し耳貸せ」
あたしは髪を耳にかけ、蓮兄に耳を近づけた。
蓮兄があたしの耳に耳打ちする。