不良×依存症
「あのねぇ、400の10分の一は、40ね」
「は!?何で増えるんちゃうの?」
え、増えるの?
何で女子の定員数が、全体の定員数より増えなきゃならないの?
「400を10でわったら、40でしょ?」
「…あ、割り算か」
キミは何だと思ったんだ?
「……ちゃんと単位取ってる?」
「ギリギりな」
今からうち等は"イケナイ"事を犯そうとしているのに、このゆったり感。
なっちゃんは、意外にアホだ。
そして、時折見せる笑顔は桜庭海斗にそっくりだ。
ちょっと馬鹿な所と笑顔と喋り方…全てに桜庭海斗の面影がある。
「裏行ってみようか」
「ああ」
どうしてあたしは彼の無実を証明しなきゃあ、ならないんだ?
……絶対、蓮兄がやった方が早いのに。
「あ、そういえば、なっちゃん」
「なっちゃん言うな」
「さっき校門前で、真犯人見つけた?」
なっちゃんは今更それ聞くか?と言いたげな表情を浮かべると、鼻で笑った。