不良×依存症
なっちゃんが突っ込んだ。
まだ、心の声を聞いてたんかい!
……ってあたしが口に出していたのか。
「じゃぁ、何よ」
なっちゃんはあたしの問いかけに答えることなく、意味ありげな笑みを浮かべ蓮兄とアイコンタクトをとっていた。
「ちょっと聞いてる?」
「でもいいんじゃね?痛い視線があっても」
よくないよ!
だって、さっきライオンとかと結婚するの?って言われたりしたんだもん!
「だってこういうことができるんだから…」
なっちゃんがそう言うと、あたしのブーケを持つ腕を上げ、丁度顔の横に置いた。
これじゃあ、みんなの顔が見れないよ。
そう思ってなっちゃんを見上げると…。
「………ッ!」
なっちゃんからキスが落とされた。
丁度、ブーケがあたしたちの秘密を隠している。
だから、2人しか知らない空間…。
なっちゃんはゆっくり唇を離すと、ポケットから何やら取り出す。
何だろ…?
あたしが首を傾げていると、今度は左手を奪われた。