不良×依存症

壊れた色



* *

「…根性焼きって何」


携帯でワンセグ観ながら、苺ミルクを飲んだ。


「え、根性焼き?」


お昼休み、隣に座る安西陸(りく)があたしの声に反応する。


陸は、多分なっちゃんと並ぶ程の超お馬鹿。


しかし東高在学中。


彼は野球の推薦でこの学校にいるのだ。


あ゙ぁ、なっちゃんを思い出してしまったじゃないか!


あまりの悔しさに顔を歪ませた。


キス奪われ事件から、1週間。


あれからお互いがお互いを避け、会う事は一切なくなった。


別に用事もないしねー。


「何、央は根性焼きでもすんの?」


「根性焼きが何かも知らないのに、できるわけないでしょ」


陸は弁当を箸で突きながら、へーと声を漏らす。


チラッと陸の席を覗くと、空になった弁当箱が積み重なっていた。


お、大食い野朗…。


「煙草を皮膚に押し付ける事だよ。それによってできた火傷の事」


「野球馬鹿でもそれくらい分かるのかあ…」


「馬鹿じゃないし。てか最近お前おかしくね?何かクールになってる」


なっちゃんは、煙草を腕に押し当てたのか…。


何でそんな痛いことを…。


…ハッ!




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