わたあめ―kimi to hajimete―


文化祭が終わり、
二学期末テストが終わると
冬休みを待つだけだ。


「あ、ハル!
文化祭の写真掲示板に
張り出されてるから行こうぜ!」


「マジ?行く行く!」

そう言って、神田が教室を出ると数人のクラスメートもそれに続いた。

「写真かぁ……。」

とりあえず、写ってないし見に行く必要もないかな……



****************************


「カノ、写ってたよ?」

……………………。

「はぁ?!」

なんで?!いつ?!

「あたしといる時と
ハルといる時の。」


「…………嘘…」


「大丈夫。バレてないから!
ちなみにあたしも買った!」

「…………なんで?」

「もう1つおまけに、男子にも買ってるコがいた。」

「だからなんで?」

「ウチの学校にはいないってことになってるから。」

……そっか…よかった……


「しかし、ハルも大変だよね!男子にからかわれまくりで(笑)」


「……確かに(苦笑)」

文化祭の後からずっと
神田は男子にからかわれている。神田も反抗してるから余計にだ(苦笑)


「カノ、あのね、前から
言ってることだけど
あたしはバレてもいいと思ってる。」


「アキ…」

「確かになにか言われるかもしれない。でもね、文化祭のときに思ったの。カノと高校生活楽しみたいって、だから、少しずつ、話かけてもいい?」


「本当に、なに言われるか…」


「うん、でも私は今の方がツラい。カノと話すこと出来ないし、カノを悪く言われて何も出来ないことの方が」


「アキ……、ゴメンね…」

「だから、少しずつ…ダメ?」


「ダメなわけない…っ」

私もアキが悪く言われて何も出来ないのは悲しい。ずっと、アキにそんな気持ちをさせてたんだと思うと涙が出てきた。


「ほら、泣かないの!
昼休み終わっちゃうよ!!」


アキ……ゴメンね…
そして…ありがとう。
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