機械魔法伝～第二章～

　家族の事。友達の事。みんなみんな分からない。自分はどうしてしまったのだろう…

　少年はいきなりすくっと立ち上がった。


「悩んでても…分からない！そうでなくても…分からない！だから分からないままで良いか！」


　少年はどうやら、とてもプラス思考なようだ。


「でも、ずっと分からないままなのは嫌だな…。よし！これから頑張って自分の記憶を取り戻すように努力したい！」


　少年は言葉の文法が目茶苦茶なのであった…






　…一方、リュカは少年の様子を呆気に取られて見ていた。

　いきなり隕石が自分の目の前に落下し、中から少年が出て来た…。胸がドキドキして潰れそうなぐらいの快感。これは…今まで味わった事のない最高のスリルよっ！


　リュカは何を思ったのか、立ち上がって少年のそばまで行った。そして、いきなり少年の手を掴んだと思うと…


「最高のスリルをありがとう！あんたに一目惚れしたわ！あたしと…このリュカと是非結婚して！」

「…え？結婚？」


　リュカは見ず知らずの初対面の少年に逆プロポーズをしてしまった。

　だが、その少年は…｢結婚｣の意味さえ分かっていなかったのだった…