老兵
己の呼吸

血の流れまでも男は手にとるように感じることができた

そして男は今初めて恐怖というものを味わう

目の前に一人の老兵が錆びた剣を構えて立っている

男には何が起きているのかわからなかった

老兵は微かに揺れながら鋭い眼光を男に向ける

それは

天才だった
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