契約の恋愛
過去を切り離して、今を生きようとする。

こいつはそれが誰よりも得意だった。

まぶしいくらいに、前向きな姿勢。

俺には真似できない。

「まぁ…良かったじゃん。夢に近づけたし。」

「んー?おー。サンキュー。夢…ねぇ。紀琉、叶うと思う?」

……はぁ??

俺は、どこか真剣さを帯びる恵流の瞳を睨むように見た。

「…知らないよ。頑張ればいけんじゃね。」
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