契約の恋愛
琉衣の涙。

琉衣の苦痛。

琉衣の痛み。

琉衣の傷。

……琉衣。

あんなにもお前を守りたいと、俺は思っていたのに…
今の俺の中は、琉衣の涙で溢れていて…。

君の笑顔が思い出せないんだ。


恵流は、何とも言えないというように深いため息をはいた。

あの頃のお前は…全部見透かしていたんだよな。

結末だけが…見えなくて。
「お前…ズルいよ。」

恵流が吐き出すように呟いた。

いい加減気付けよ。

そう語り掛けるかのように。

「…ズルい?」

俺は、意味が分かず立ち尽くす。

恵流は言葉を続けた。

「琉衣の為に生きることが、お前の幸せにつながっていたとしても…琉衣の幸せにはつながっていないと思う。」

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