契約の恋愛
恵流の強く、真っ直ぐな瞳を見たのは俺は本当に久しぶりで。

今でも鮮明に覚えている。
あいつの目の奥の本音。

瞳の色。

あいつの言葉。

今でもこんなにも鮮明に覚えている。

君は、夢を見ているんだと今でも思うよ。

その夢の中のあいつが、鮮明であるほど君にとっては幸せで、でも一番酷な仕打ちだな…と。

君の記憶の中のあいつは、どんな表情をしていましたか?


「悪いかよ。」

俺は細い声で呟いた。

それ以外何があるんだよ。
琉衣を守ることが、俺の最大の生きる意味だった。

でも、その事で琉衣を深く傷つけてしまっていたことに…独りよがりの俺は気付けなかった。

恵流は、あんなに早く気付いていたというのに。
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