ずっと抱いてて
「言われてみればそうだね。それに君、寝坊しないもんな」


「うん。……祐太は夜勤のバイトしてるから、寝坊しちゃうでしょ?」


「ああ。夜のバイトって案外疲れるからな。夕方から入って明け方に終わるからね」


「睡眠短いもんね」


「そうだね。毎日、二時間か三時間ぐらいしか寝てないもんな。でも、その分、退屈な授業中は居眠りしちゃうけどね」


 ボクがそう言って笑った。


 愛海も釣られてケラケラと笑い出す。


「あたし、実は今原稿書いてるの。七月頭に締め切りの新人賞の原稿」


 彼女がそう言い、更に言葉に力を込めて、


「一応上限はないんだけど、三百枚以上だから、結構大変よ」


 と言った。


「三百枚って言ったら、仮に受賞すれば本になるの?」

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