ずっと抱いてて
第6章
     6
 三食で冷たいアイスを食べていたボクたち二人は、ある程度時間が経つと話に飽きてしまい、立ち上がって近くのゴミ箱に容器を捨てる。


 そしてそのまま、出口から外へと出、蒸し暑さを感じ取りながら、キャンパス内を歩き出す。


 一応文学部の掲示板を見てみた。


 休講や補講など、これと言った変更点はない。


 ボクたちは掲示板から離れて、広い大学構内を歩きながら、正門から外へと出る。


 今日はこれ以上授業がないので、ボクも愛海もどちらかの部屋でゆっくりするつもりでいた。


 ボクが提案する。


「今から君の部屋に来てもいいかい?」


「ええ」


「確か、ここからだと歩いて五分ぐらいのところだよな?」


「うん。近いから、通学しやすいの」
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