ずっと抱いてて
第9章
    9
 ボクと愛海は存分に抱き合った後、ベッドの上でゴロゴロしながら、夜の時間を過ごす。


 彼女が不意に口を開いた。


「お腹空いたでしょ?」


「ああ」


「食材とかある?」


「うん、一応ね」


「じゃあ、それ使って料理作ってあげようか?」


「君、料理できるの?」


「バカにしないでよ。あたしだって、料理ぐらい出来るわ」


「そう……」


 ボクが曖昧に頷きながら、言葉を重ねて、


「今夜は蒸し暑いから、冷たい麺がいいな」

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