ずっと抱いてて
第11章
     11
「祐太、授業行こうよ」


 二人で交わすロマンチックな口付けが途切れた瞬間、愛海はボクに言った。


「そうだね。俺も今日は出欠取る講義があるから行こう」


 ボクはコーヒー茶碗を置いて、洗面所に行き、そこで洗顔と歯磨きをして口を濯(ゆす)ぐ。


 自室のリビングへと戻り、ヒゲソリで髭を剃り落とすと、ボクは身支度を整えて、今日行われる予定の講義の準備をした。


 リュックに必要な教科書類やシャープペンシル、ボールペンなどを入れて、ゆっくりと準備する。


 今日の講義は出ないとまずい。


 必修科目だし、担当教授が出席を取るからだ。


 支度が終わったボクは、ゆっくりと部屋出入り口へ向けて歩き出す。


 愛海も起き出してから、ボクの部屋にある自分用の歯ブラシで歯を磨いた。


 いつも洗面台のコップには歯ブラシが二本差してある。

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