ハッピーバースディ
夕日を見ながら散歩をする。

タクと並んで歩く。

私は何も話さず、笑い声もあげない。
タクが一人で話し、笑い、
私はまわりを気にしながらちょっとうなずいたりする。

だって、
はたから見たら私が一人で歩いているようにしか見えないんだから。

「しんどくない?」

「ん?」

「俺といて」

「……ばか」

そのまま私たちは、二十分ほど歩き、家にもどった。

明日からはまた、本当の日常に戻らないと。
< 11 / 13 >

この作品をシェア

pagetop