受信BOX
受信BOX
~♪~♪
メールが
来たことを
知らせる
着信音。
ポケットから
そっと取り出し
開いてみる。
見えない
君からのメール
ひとつ。
『元気?』
たった3文字の
言葉に
心は
あったまる。
『元気だったよ。』
君のメールを
心待ちにしてたことに
きづかれたくなかったから
5分位してから
そっけなく
返した。
ほんとは
なにより
君からのメールが
楽しみだったんだけどね。
まるで
愛の駆け引きみたい。
なんてね。
笑っちゃうね。
君との
見えない
メールの取引が
始まって
もう1年。
君とのメールの
きっかけ。
それは
なんとなく
あたしのこと
何にも知らない人と
話したかったから。
そしたら
サイトで
君と会った。
それから
あたし達は
1週間に
一回くらいの
ペースで
やり取りをしている。
その中では
プライベートは
一切入れない。
現実拒否?
そうかも。
君と話してると
落ち着くんだ。

君についての情報、
名前はヤス。
大学生。
これしか知らない。
ほんとか
どうかもしれない。
もしかしたら
うそかもね。
それでも
別にいいし。
楽しかったら。
べつに
そんなの関係ない。
実際に
あたしも
ほんとのこと
なんにも
言ってないし。
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