渇望男の潤いペット2
「じゃあ、火曜日にお願いします…」

俺達は約束を交わし、その日を後にした









「君は、彼と会って何を話すの?」

「…そうね、何も考えていなかったな…」

彼女がぼんやりと足を見つめながら話す

「ただ、会ってみたかった…
この世界にいる、同族の人に…

彼は弱い代だと思うけど…」

「…ねえ、この間『掟を破った』って言ってたよね?彼は何をしたの?」

「何も…」

「え?」

「彼は何も…
掟を破ったのは、彼のお母さん…。その人は『何もしなかった』から…」

「???」

彼女の言っている意味がよく理解出来なかった

掟を破ったのは、彼の母親で?

何もしなかった事が掟やぶり…

つまり、何かをしなければならなかった?

「何を…しなかったの?」

「………出産の儀式…」

「…そういうのがあるんだ…」

俺は何か民族的な、宗教的な何かを想像した

何か、祈りの儀式みたいな事をしなかった罰当たりなんだろうな〜なんて考えて、それ以上深くは聞かなかった




「それで、あなた方ののぞみは何?」

「あー、…」

言葉が詰まった…









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