Secret Prince
後始末をする意味で、吐き出された精液をコクリと音を立てて飲み込み、
残滓も残さないように、ペロペロとペニス全体を軽く舐めてから、
ようやく僕は唇を離した。
実質、僕は何の刺激も受けていないから、無傷と言えば無傷、
だから、僕はゆっくりと立ち上がった。
そして、出来るだけ優しい眼差しを、上から見下ろす形になるけど、
送ってあげる。






「僕は、そろそろ戻らなきゃいけない。
 藍斗は知っているか分からないけど、この人格でいるのは、結構、
 藍斗に負担をかけるんだよね。
 でも、凪の事、僕、気に入っちゃったから、
 いつかまた、…………ね?」




凪は、泣きそうな表情から一転して、
……いや、瞳は、まだ微かに潤んでいるが、目を見開いて、
呆然とした表情で、僕を見つめていた。
いつもなら、対象の記憶から、跡形もなく、
僕の痕跡を消しちゃうけれど、今回は違う。
何よりも、僕自身が気に入ったからね。
好奇心旺盛な姿も、淫らに喘ぐ姿も、
……今みたいに、生気を失ったみたいに、呆然としている姿も、ね。



























「それじゃあ、……バイバイ、凪。」



いつもの事だけど、人格を入れ替える時には、
強烈な浮遊感に襲われる。
でも、藍斗は順応性があるみたいで、もう慣れたみたい。
……ふふ、凪は結構、驚くだろうけどね。
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