恋の花びら
ある朝教室に矢部くんがいた。
彼は私に似ている。
昔の私に………。
彼には私みたいになって欲しくはないと思った。
欲しくて欲しくて、
やっと手に入れた人。
「星羅ちゃん」
そう言って、可愛い笑顔で先輩が私の手を握る。
あんなに大好きだったはずなのに、
全然ときめかない。
付き合い始めは私からで、先輩はきっと本気ではなかったと思う。
「今度の日曜映画でも見に行かない?」
でも、
だんだん彼の気持ちの方が大きくなって息苦しい。