恋の花びら

「悪いけど、日曜日は私ちょっと出かけるから」


「そっか、いきなりだったし。ごめん」



どうして先輩が謝るの?


悪いのは私なのに。



好きの分量はいつも変化し過ぎてて、
私を苦しませる。



いつからだろう。



好きの大きさが逆転したのは。



「先輩」



「ん?」



私は先輩の手を離す。



そして彼を真っ直ぐ見上げた。



「もう、終わりにしましょう」



夕方の風が、私たちを包みこむ。



「別れて下さい」



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