恋の花びら
重い……。
人間には、
見えない重さが存在する。
見えないし感じないのに心に重くのしかかる。
ハァ。
俺はトレーに乗ったジュースやら何やらをそのままにして立ち上がった。
「どうした?」
「帰るわ」
「はあっ?」
入り口へと向かう。
後ろから大喜が急いで片付けて追いかけてくる。
好きな女の幸せ願えない重いだけの男なんて、最低だ。
今にも店から出ようとした時、
愛しい彼女の声が聞こえた。
「裕也?」
振り返ると、
驚いた顔の紫織と会長の姿が目に入る。
「……紫織」
「偶然。
何してんの?
大喜くんと買い物?」