盲目の天使

「ルシルが?」


ルシルは、リリティスが最も信頼する侍女だ。

大方、彼女も自分に文句を言いにきたのだろう。


カルレインは、これ以上責められると、自分が何をするかわからなかった。


「何が言いたいかは、わかってる。会う気はないと伝えろ」


そう。会わないほうが、さっさとリリティスを忘れられるはずだ。

こんなに苦しいのなら、忘れてしまえばいい。

出会ったことも全て。


しかし、マーズレンは、そう言われる事を予想していたように、

落ち着いた声で、カルレインを説得をした。


「本当に良いのですか?

私は、ずっとカルレイン様の部下として付き従っておりました。


苦しそうなカルレイン様を、これ以上見たくはありません。

どうか、ルシルにお会いください」


マーズレンのまっすぐな視線を受けて、カルレインは深く息を吐いた。





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