盲目の天使
会って、決着をつけろと、そういうのか。
男の嫉妬ほど、醜いものはない。
できれば、自分の奥底に眠る、その感情に、気づかれたくはなかった。
だが、確かに、いつまでも逃げおおせるものでもない。
「わかった。通せ」
はい、とマーズレンは、いったん下がって、ルシルを部屋に案内してきた。
「何の用だ」
カルレインは、ルシルから目を逸らしてうつむく。
「リリティス様のことでございます。
昨夜から、水以外、何も召し上がっておりません。
このままでは、衰弱してしまいます」
そんなことは、初耳だった。
オルメからも、そんな報告は受けていない。
そう思って、はたと気づいた。
多忙を理由に、しばらくの間、誰の取次ぎも受けるなと指示していた。
オルメは、自分に会おうとして、会えなかったのかもしれなかった。
・・馬鹿な事をした。
「何も、食べていないのか?」
「はい。ベッドに臥せったまま、起き上がりもいたしません」
「なんだと?!」
思ったよりもずっと深刻な状況に、カルレインの胸が、締め付けられるように痛んだ。