盲目の天使

それから数ヶ月が過ぎ、ノルバスに暑い季節がやってきた。

標高の高い位置にあるノルバス城は、涼しくて、すごしやすい。


タザトットが、完全に復旧したとの知らせを受けて、城は明るさを取り戻していた。


「プロン様。タザトットで活動していた兵も、全て引き上げ、通常作業に戻りました。

ここは一つ、皆の労をねぎらうという意味で、宴など開かれてはいかがですか?」


「なるほど。

そういえば、タザトットの件もあって、

カナンを落とした功績に対しても、まだ兵たちに報いておりませんな」


大臣たちは口をそろえて、王に進言した。



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