盲目の天使

「これで、決まりだな」



まさか、本当に、こんな小娘にしてやられるとはな。



プロンは、深く息を吐くと、

床に倒れているリリティスを、一瞥して、高らかに、兵士に告げた。


「リリティス王女を、捕らえよ!

ノルバス王を毒殺しようとした罪だ!」


呆然とするリリティスは、悪い夢を見ているのではないかと思った。



私が・・・、なんですって?!



毒殺どころか、チトの実がなんなのかも知らないリリティスは、

反論も出来ないまま、兵士たちの手によって、縛り上げられた。


リリティスをなんとか助けようと暴れだすカルレインは、

コウガイ将軍に、後ろから羽交い絞めにされ、リリティスから引き離される。


カルレインが自分を呼ぶ声が、聞こえたような気がしたが、

リリティスの意識は、そのまま闇に沈んでいった--。







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