盲目の天使
開け放たれた窓を、ゆるやかな風が揺らして、カタカタとリズムを刻んでいる。
「ね~ぇ、プロン様」
猫なで声に、流し目のおまけもつけて。
「私、あの王女の身の上を、哀れんでおりますのよ」
ソレイユは、プロンに体を密着させた。
突然、リリティスに話が及んで、
プロンは自分の下心ゆえに、杯を落としそうになる。
「なっ、なんだ。急に話題を変えて」
取り繕うプロンの様子に、
ソレイユは、自分のたくらみが成功する予感を強めた。
「どうでしょう。
あの王女を、プロン様の側室に、むかえてはいかがですか?」
ソレイユは、妖艶な笑みを浮かべて、王を上目遣いで見た。