盲目の天使

リリティスに食事を用意するため、オルメとルシルは、いったん部屋を出て行った。


「あ、あの・・

カルレイン様?」


上目遣いで、リリティスがカルレインを見ると、

カルレインは、さっと椅子から立ち上がり、リリティスの手を取る。


「俺を、思い出したのか!」


「い、いえ・・・。

周りの方が、そう呼んでいらっしゃったので・・」


リリティスの答えに、カルレインはがっくりと肩を落として、椅子に座りなおした。



どうしたのかしら、私・・・。



カルレインのさびしそうな横顔を見て、リリティスは、胸が痛む。



この気持ちは、何なのかしら?



< 385 / 486 >

この作品をシェア

pagetop