盲目の天使
リリティスに食事を用意するため、オルメとルシルは、いったん部屋を出て行った。
「あ、あの・・
カルレイン様?」
上目遣いで、リリティスがカルレインを見ると、
カルレインは、さっと椅子から立ち上がり、リリティスの手を取る。
「俺を、思い出したのか!」
「い、いえ・・・。
周りの方が、そう呼んでいらっしゃったので・・」
リリティスの答えに、カルレインはがっくりと肩を落として、椅子に座りなおした。
どうしたのかしら、私・・・。
カルレインのさびしそうな横顔を見て、リリティスは、胸が痛む。
この気持ちは、何なのかしら?