盲目の天使
何か言おうと口を開いたが、あえなく失敗に終わり、
リリティスは、涙目でうつむいてしまった。
・・どうすればいいの?
自分が、カルレインの事を愛しているのは、間違いがない。
もちろん、答えは、是、だ。
しかし、こんな人前で、告白めいた事を、しなくてはならないとは。
カルレインは、リリティスの様子に、ふっと微笑むと、彼女の前に跪いて、うやうやしく、手を取った。
ざわざわしていた兵士たちが、波をうったように、静まりかえる。
「リリティス姫。
私と、
結婚していただけますか?」
カルレインの真剣なまなざしが、リリティスの瞳を捕らえると、
首まで赤くなったリリティスが、震える声を絞り出した。
「は・・・は・い」
一瞬の沈黙の後、拍手と歓声が、巻き起こる。
「「おめでとうございます!!」」
兵士たちが、わずかに感じていた未来への不安など、
二人の幸せそうな姿に、いっぺんに吹き飛んでしまった。
「おめでとうございます!リリティス様!」
ルシルは、こぼれんばかりの笑顔で、リリティスにお祝いを述べた。