盲目の天使
リリティスは、目の前で起きた重要な出来事を、理解しきれないでいた。
・・え?
私が、なんですって?!
「ほら、リリティス様も立ち上がって!」
ルシルに抱き起こされて、リリティスは、よろよろと立ち上がる。
周りの視線が、自分に集中しているのを肌で感じて、
やっと、リリティスの頭の中の霧が晴れた。
「カ、カルレイン様っ!」
リリティスは、カルレインの衣の袖を引っ張り、
そんなことは無理だとばかりに、目で助けを求める。
だが、カルレインは、それこそ自分の思い通りの展開に、楽しくて堪らない。
「俺にきちんと返事をしてくれると、
さっき、言っただろう?」
やんちゃな瞳で返された。