盲目の天使



だめだ。やはり体も私のものにしてしまいたい・・・。



カルレインが、高まる熱を押さえきれず、そのままリリティスに馬乗りになった時。


「リリティス様は、そろそろお休みの時間でございます」


穏やかな声音で、微笑んでいるのは・・・。


「オルメ・・・」


頭を抱えたカルレインは、そのままの体勢で、なんとかしてオルメの説得を試みる。


「あのなぁ、オルメ・・」


「長旅でお疲れの姫君のお世話をする様、カルレイン様から言い付かっております。

それには当然、か弱い姫君を、狼から守ることも含まれておりますので、

どうぞご安心ください」


オルメは、わざと慇懃に頭を下げると、目を細くして、カルレインをちらりと見た。


「狼とは、俺のことか?」


聞かなくても、答えはわかっていたが。


「カルレイン様が狼に含まれるかどうかは、今後の態度次第でございますね」


やはり、一筋縄ではいかない女だ。

カルレインは、改めて自分の乳母の偉大さを思い知った。



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