Bitter
* * * *



『…………。』




『そんな顔してどーしたの?嘉人。』



『いや…奈美さんのマンションにうちの高校の生徒がいたからさ。‥さっきキスしてるのみられたよ。』


『あらま。嘉人どこの高校で働いてんだっけ。』



『●岡第一高校』



『あぁ。なら多分それうちの娘。』




キキキキキィッ 



『は?!』




『いったーもう急に止まらないでよー。』



『娘さんもう高校生だったっけ…、えっ奈美さん名字“松田”でしょ?』




『今は香坂よ。』



『……………マジか。』




『何よ、なんか問題でもあるわけ?』



『…………いや…。』





* * * * *





私はソファに座り、色が変わっていく空を見ながら、
じっと考えていた。


高瀬の好きな人が、私の母親・・?


なんだかしっくりこない。


確かに、あの口紅は母親のだけど・・・。



そういえば。


屋上で、藤田先生達との一件が解決したとき、
藤田先生がこんなセリフをこぼした。




『ありがとう、それにしても嘉人、これってそのまんまフミコさんの・・』


すると高瀬はすごい目をして藤田先生を睨んだ。


私は咄嗟に、それが彼の胸を焦がす人の名前だと、察した。





しかし、私の母の名は奈美である。




やはり母とは別の人を・・?









真実が知りたい。



そう強く思い、一睡もせずに母親を待った。



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