バツ1子持ち、それでも大好きだよ先生!《あれから〜6年が過ぎて》
俺は暫く彼の様子を見ていた。




彼は俺の視線から目を離さない。



必死に俺を見返している。


『河上君と言ったよね。どうして夕顔と付き合いたいんだ。


君みたいなカッコ良い男なら、夕顔でなくても君を好きだと言う子がいると思うけど。』




「夕顔がいいんです。夕顔でないと駄目なんです。


俺の親は二人とも教育者です。


でも俺は両親と暮らしてはいません。


忙しい両親に代わり俺を育ててくれたのは、


家にいたお手伝いさんでした。


大好きな人だったけど、その人は父親の愛人で、


俺それを知った時誰も信じられなくて、


家出をして悪い事を一杯しました。


これが俺なんだってカッコつけていたし、


たけど、夕顔の笑顔を見て自分の中の何かが壊れたんです。


俺のしてる事は間違ってるって夕顔が教えてくれました。


夕顔がこんな俺でもいいって言ってくれた。


俺嬉しくて泣けた。」




河上は話しながら泣いていた。







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